β-グリチルレチン酸の育毛効果について

β-グリチルレチン酸も多用途で色々な製品や薬などに利用される成分です。

 

甘草という植物から抽出されるグリチルレチン酸という成分を加水分解することで得られる成分です。

 

甘草は甘味が強い植物であることからその抽出成分も甘味があり、これを利用して甘味料に利用されたり、健胃効果があることから胃薬に用いられたりもします。

 

今回はこのβ-グリチルレチン酸の育毛効果について見ていきます。

 

β-グリチルレチン酸の育毛効果

 

β-グリチルレチン酸は男性型脱毛症の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する効果があります。

 

男性の薄毛の大部分を占めるこの脱毛症は、体内の無害な男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結びついてDHTに変化し、これが毛根に脱毛指令を発することで起きるものです。

 

β-グリチルレチン酸はテストステロンと5αリダクターゼが結びつくことを阻害する作用があり、DHTの生成を防いで毛根が脱毛指令に曝されることを防ぎます。

 

ただし男性型脱毛症治療の主役であるフィナステリドもDHTの生成阻害効果がありますが、こちらと比較するとその効果は弱く、また外用塗布剤としての使用ではさらに効果は限定的なものとなります。

 

β-グリチルレチン酸は他に殺菌作用があり、頭皮の雑菌の繁殖を抑制する効果があります。

 

雑菌の影響で発生するかゆみやフケの発生を抑えて頭皮を健康に保ちます。

 

これに抗炎症作用もあることで、雑菌がもたらす炎症にも、シャンプー剤や紫外線など他の要因から来る炎症にもアプローチすることができます。

 

頭皮の炎症は本人が気づかないことが多いので、育毛剤で毎日使用することで軽症のうちに手当をすることができます。

 

副作用は?

 

副作用についてはむくみや高血圧症状などが報告されています。

 

ただし内服薬などで体内に取り入れる場合などで心配するもので、育毛剤として外用塗布する程度であればそれほど心配は要りません。

 

育毛剤に含有されている量は少ない上に体内に吸収される量は微量だからです。

 

漢方薬などを服用している場合はβ-グリチルレチン酸の他に「甘草」「カンゾウ」等の表記があるものは同様の成分と考えておくと良いでしょう。

 

それでも市販薬程度では重い副作用が出ることは稀ですが、上記の症状が出る可能性があることは覚えておくようにしましょう。