育毛剤の好転反応、初期脱毛と副作用について

 

育毛剤を使用していて抜け毛が増えたという報告がたまに見受けられます。

 

通販やドラッグストアで購入できる医薬部外品の育毛剤、また、医師の処方を受けて出される医薬品の育毛剤(ミノキシジル配合)も、逆効果になるような成分はもちろん含んでいないわけですが、時折みられるこうした報告をどう捉えれば良いのでしょうか。

 

もし本当に抜け毛が増えて、さらにひどい薄毛に進んでいくようであれば、それは副作用やアレルギーの問題として処理することになりますが、一方で好転反応とか初期脱毛という言葉を聞くともあります。

 

これは、薄毛治療薬の使用開始当初に抜け毛が増える現象ですが、こちらは副作用と違って問題ないものになります。

 

今回は育毛剤の好転反応、初期脱毛と副作用について見ていきたいと思います。

 

好転反応とは?

 

好転反応という言葉は元々東洋医学にある独特のもので、ある悪い症状を治療する際に、体が良い方向に進む際に一旦症状が悪化するように感じる現象のことです。

 

整体に通う方は良く耳にすると思いますが、例えば肩こりで整体治療を受けた時にその当日又は翌日以降肩こりが逆に酷くなることがあります。

 

施術の失敗による筋肉の損傷による痛みであることも可能性としてはありますが、多くの場合は「体の深部にある「悪いもの」が表面に出てきて、一時的に症状が悪化したと感じる好転反応ですよ」、と説明を受けるはずです。

 

こうした考え方は西洋医学には無いものです。

 

薄毛治療でいうところの好転反応というのは、育毛剤などの治療薬を使用した当初になぜか逆に抜け毛が増える現象を指します。

 

薄毛治療の場合は先ほどの整体とはまた異なる考え方になり、初期脱毛と呼ばれることが多いです。

 

薄毛治療における好転反応、初期脱毛とは?

 

薄毛治療の場合は治療効果の高い薬ほど初期脱毛が起きやすいとされています。

 

その機序としては毛根のヘアサイクルを考えれば分かりやすいです。

 

人の毛根は成長期→退行期→休止期→また成長期、というふうに髪が成長し、成長が止まり、抜けてまた生えるというサイクルを繰り返しています。

 

休止期は約2か月から3か月ほどの期間となりますが、この間に役目を終えた髪の毛が自然に抜け落ち、後から新しい髪の毛が生えてきます。

 

役目を終えた髪の毛も一定期間は維持されるのですが、治療薬の効果で次に生えてくる髪の毛の成長速度が速まり、古い髪の毛を押し上げると抜け毛の量が一気に増えます。

 

これを「抜け毛が増えた」と感じてしまうために慌ててしまう人がいます。

 

休止期にある古い髪の毛はいずれ抜ける運命にあるものですので、全然心配しなくて良いものですが、みなが短期間に一斉に抜けることで「副作用ではないか?」と心配する人もいます。

 

病院で処方される効果の強い育毛剤では初期脱毛が起きやすいので医師から事前に説明を受けることが多いでしょう。

 

市販の育毛剤でも初期脱毛が起きる可能性がないわけではありませんが、それほど効果は強くないので発生頻度は高くありません。

 

副作用との違いは?

 

好転反応や初期脱毛は上述の通り心配する必要はありませんが、もし抜け毛の加速が副作用であった場合は話が違います。

 

この場合は、その治療薬の使用を続けると薄毛の改善どころか、症状を悪化させてしまう可能性もあります。

 

副作用というのはその治療薬の意図する効果とは別の悪い作用が出ることですが、通常は抜け毛を促進するような副作用は考えられません。

 

あるとすれば、育毛剤に使用される成分や添加剤などが肌に合わないことで頭皮湿疹やかぶれなどを引き起こしてダメージを被ることでしょう。

 

また、内服薬では全身に影響する副作用で内臓を壊し、健康を損ねて抜け毛が増えるということも可能性としてはあります。

 

可能性が高いものとしては、頭皮の皮膚疾患が副作用の指標となるので、治療薬を使用して頭皮に異常を感じたら使用を止めるか、医師に相談しましょう。