休止期脱毛症について

休止期脱毛症で薄くなった女性の頭皮

 

皆さんは「休止期脱毛」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あるいは「休止期脱毛症」はどうでしょうか?

 

聞いたことはあるという方でも、上の両者の違いがよく分からないという人もいるかと思います。

 

今回はなんとなく分かるようで分かりにくい「休止期脱毛症」について解説していきます。


休止期脱毛は休止期に髪が抜け落ちること

 

人の毛髪は毛根から生えていますが、この毛根は1つ1つが独立したヘアサイクルに従っています。

 

ヘアサイクルというのは毛髪を作り出すサイクルのことで、毛髪を成長させる成長期、成長が止まる退行期、毛髪が抜け落ちて次の毛髪が生える準備期間となる休止期があり、これを繰り返す毛周期のことをいいます。

 

正常なヘアサイクルであれば、女性で4〜6年、男性で2〜5年ほどの成長期の後、2週間〜3週間ほどの退行期を経て、2ヶ月〜3ヶ月ほどの休止期を迎えます。

 

 

全ての髪の毛が一斉に休止期に入ってしまうと、人間はハゲかフサフサのどちらかしかないことになりますが、各毛根のヘアサイクルが独立しているおかげで一気に全て抜けるということがないようになっています。

 

(頭髪全体を100%とした場合、成長期:85〜90%、退行期1%、休止期10〜15%くらいの割合と言われています。)

 

休止期に入った毛髪は自然に抜け落ちる運命ですので心配のないものです。そしてそのために起こる脱毛を休止期脱毛といいます。

 

これ自体は悪くないものですが、何らかの原因で休止期に入る毛根が増えてしまうのが「休止期脱毛症」です。

 

本来成長期にあるべき毛根までが休止期に入ってしまう現象が「休止期脱毛症」

 

通常であれば人の毛根の85〜90%程度が成長期にあると言われていますが、これが何らかの原因で不正に休止期に入ってしまうのが休止期脱毛症です。

 

髪を太く長く育てる成長期の割合が減り、その分が休止期に移行することで抜け毛が増えます。

 

 

さらに、休止期から成長期への周期移行が長い間止まってしまうと、新しい髪の毛が生えてこないため、頭髪全体の毛量はどんどん減っていくばかりに。。

 

原因は色々考えられ、ストレスや、外科処置などによる物理的なダメージ、貧血、極端な食事制限によるダイエット、甲状腺機能の低下、更年期などのホルモンの変化などがあります。

 

休止期脱毛症の特徴は、男性型脱毛症等にみられる軟毛化があまり顕著でないこと。

 

男性型脱毛症ではジヒドロテストステロン(DHT)が継続的に毛根の活力を弱める信号を発するため、毛髪が次第に細くなる軟毛化が見られます。

 

休止期脱毛の場合は、本来の成長期にある元気な毛根が元気な毛髪を伸ばしているところ、これを急激に休止期に移行させて抜けてしまうので軟毛化が起こる余地があまりありません。

 

そのため髪の毛が細くなったと感じるよりは、絶対本数が減ったことでスカスカ感を覚えることが多いです。

 

薄毛の症状と抜け毛の特徴

 

女性の薄毛症状で一番多いのは、男性型脱毛症(AGA)の女性版である ≫ 女性男性型脱毛症(FAGA) と言われています。

 

ホルモンバランスの影響を受けて引き起こされるFAGAの場合は、「細い・短い抜け毛」が多い傾向にあります。

 

休止期脱毛症は女性の薄毛症状でFAGAに次ぐ2番めに多いとされ、見た目は健康そうな「太い・長い抜け毛」が多いのが特徴です。

 

※細くて短い抜け毛の中に太くて長い抜け毛も混じっている。またはその逆。という方も多いかと思います。

 

その場合は、正確な判断は難しいのですが、どちらの抜け毛に偏っているか?をみることである程度の目安になります。

 

「慢性」と「急性」の違い

 

休止期脱毛症には「慢性休止期脱毛症」と「急性休止期脱毛症」の2つのパターンがあります。

 

症状として多いのは「慢性」のほうで、6ヶ月以上かけて徐々に薄毛症状が進行していきます。

 

もう一方の「急性」のほうは、短期間で一気に脱毛する症状をさし、円形脱毛症のように強いストレスを受けた2〜3ヶ月後に生じたり、産後の抜け毛(分娩後脱毛症)や避妊薬ピルの服用中止後にも同様のことが生じます。

 

回復するまでの期間

 

休止期の毛根が増えてしまった原因や体質などで個人差はありますが、一般的には「急性」のほうが早めに回復する可能性が高く、「慢性」のほうが長引く傾向にあります。

 

▼急性休止期脱毛症

 

急性のほうはストレスや出産、薬剤の影響など比較的原因がはっきりしていて、その原因を解消できればヘアサイクルも元に戻りやすいです。

 

とはいえ、一度休止期に移行した毛根が成長期に移行するには、ヘアサイクルの関係で2〜3ヶ月程度はかかります。

 

心配しすぎてストレスを溜めてしまうと、そのストレスが原因で症状が再発してしまう可能性もあるので注意が必要です。

 

▼ 慢性休止期脱毛症

 

慢性のほうは、複数の要因が複雑に絡み合って発症するケースが多いため、治療方法の判断も難しく、回復まで長い期間要する場合が大半です。

 

※女性の薄毛のほとんどが慢性休止期脱毛症に該当します。

 

特に、加齢によって徐々に毛量が減ってきた場合は、丁寧な頭皮ケアを継続して「少しでも症状の進行を遅らせる」という考えが必要になってきます。

 

急性・慢性ともにケア方法は同じです

 

少しでも早く休止期脱毛の症状を改善するための方法として、「育毛剤によるセルフケア」と「頭髪専門のクリニックに相談する」の2つがあげられます。

 

多くの方が気軽に実践できる ≫ 育毛剤 のほうを選びますが、最近では「女性の薄毛治療専門のクリニック」も増えているので、在籍する専門医に相談してみるのも選択肢の一つだと思います。

 

関連情報
≫ 女性の抜け毛・薄毛専門のクリニック(無料カウンセリングあり)

 

女性に多いびまん性脱毛症との違いは?

 

頭髪が全体的に薄くなり、頭皮が透けて見える症状を ≫ びまん性脱毛症と呼びます。

 

 

このびまん性という言葉は「広範囲」という意味で、男性型脱毛症(AGA)や円形脱毛症、分娩後脱毛症などの脱毛症そのものの名称ではなく、「広範囲に髪が薄くなっている」という状態を表しています。

 

休止期脱毛症も頭髪全体で毛量が減り、特に頭頂部や分け目の頭皮が透けて見え、見た目のボリュームもダウンすることから、びまん性脱毛症の一種と言えます。

 

※近年増えている ≫ 女性の男性型脱毛症(FAGA)も見た目の症状はびまん性や休止期とほとんど同じです。

 

休止期脱毛症の治療法は?

 

通常の休止期脱毛は問題ありませんが、休止期脱毛症と考えられる場合はどう治療するのでしょうか。

 

多くの場合休止期脱毛症の場合は、投薬など積極的な治療を要さないことが多いです。

 

というのも、休止期脱毛症は薄毛が進む症状というよりは、ストレスや外科処置のダメージなどが原因で起こるため、こちらの処置を行うか、または体が慣れれば自然と収まることがあるからです。

 

例えば、極端な食事制限で栄養が摂れていないようであればバランスのよい食事をとる、貧血の方はこれを治療するなど。

 

植毛治療などの外科処置を行ったショックであれば時間の経過が解決してくれます。

 

ホルモン由来のものであった場合も体が慣れれば抜け毛も収まることが多いです。

 

ただし、半年以上しても抜け毛が治まらないようであれば積極的な薄毛治療が必要な場合があります。

 

男性型脱毛症を併発していることもありますし、女性の場合はホルモンバランスを崩した状態が慢性化していると抜け毛も収まらないことがあります。

 

抜け毛が治まらない場合は、市販の育毛剤や病院・クリニックで処方される薄毛治療薬、ホルモン補充療法など積極的な治療を検討してみる必要があります。

 

 

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