更年期で薄くなった髪の毛って治るの?
加齢による頭髪トラブル(抜け毛、薄毛、細毛、白髪、うねり・パサつきなど)は、お肌にシミやシワができたり、体力が低下したりするのと同じように、自然な老化現象の1つです。
そのため、完全に予防したり、治したりすることは出来ないのが現状ですが、
「諦めるしかないの?」といえば、そうではなく、ポイントを抑えて対策していけば、改善や現状維持は可能です。
そこで今回は、更年期で薄くなってしまった髪の毛を、少しでも改善するために出来ることをまとめてみました。
まずは、加齢とともに薄毛になりやすい原因から見ていきましょう。
- 毛髪の成長に大きな影響を与えているエストロゲン(女性ホルモン)の減少
- 皮脂の分泌量低下による地肌の乾燥
- 基礎代謝の低下
- 頭部を流れる毛細血管の機能低下
- 髪を育てる毛母細胞の分裂活動が弱まる
細かく分類すると他にもありますが、髪の毛の成長に影響しそうなのは上記の要因で、これらを改善することで抜け毛や薄毛の症状も良くなる可能性があります。
1つずつ見ていきます。
エストロゲンの減少
エストロゲンは卵巣から分泌される女性ホルモンの一種で、女性らしい体を維持したり、生殖機能をつかさどったり、お肌を若々しくキープしたり、とても重要な役割を担っています。
また、毛髪の成長サイクル(ヘアサイクル、毛周期)にも関わっていて、太く・長く・抜けにくく、ハリ・コシ・ツヤのある髪の毛を維持するためにも役立っています。
そのため、エストロゲンの分泌が低下してしまうと、ヘアサイクルが乱れ、髪の毛が十分に育たなくなる可能性(※1)があります。
※1
「可能性」としたのは、60歳・70歳と女性ホルモンがほとんど分泌されなくなっても、十分な毛量を維持できている方も多く、エストロゲンの減少だけが薄毛の原因ではないため。
対策
手軽に実践できる対策法は、エストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンを多く含む大豆食品(豆乳、納豆、味噌、きな粉など)を意識的に摂取すること。
注意点として、過剰に摂取しすぎると逆効果になる場合もあるので、1日の摂取目安量はよくチェックしてください。
それから、大豆イソフラボンがエストロゲン様の作用をするためには、摂取した大豆イソフラボンが腸内で「エクオール」といわれる成分に変換される必要があります。
しかし、この変換ができるのは日本人の約50%と言われています。
そのため、もし「腸内でエクオールに変換できない人」に該当した場合、意識的に大豆食品を摂取しても、期待した効果を得られない可能性が高くなります。
その場合の対策として、最近ではエクオールを直接摂取できるサプリメントを服用する方が増えてきています。
※上のほうでも軽く触れましたが、エストロゲンの減少だけが頭髪トラブルの原因ではないため、以下でご説明する他の要因もしっかり対策していきましょう。
関連記事
皮脂の分泌量低下による地肌の乾燥
年齢とともにお肌が乾燥していくのは当然ですね。
その原因の1つが皮脂の分泌量が減ってしまうことです。
皮脂には保湿、保護、抗菌などの機能が備わっており、乾燥や紫外線などの刺激からお肌や頭皮を守ってくれています。
その皮脂が減少していくと、乾燥しやすくなったり、フケやかゆみなど様々なトラブルを引き起こします。(体の中でもっとも皮脂腺が多い頭皮は、その影響を受けやすい)
頭皮環境の悪化は髪の毛の成長にも悪影響を与え、抜け毛や髪質の悪化などのトラブルにつながってしまいます。
対策
顔や手足の保湿ケアだけでなく、頭皮の保湿もしっかり!
最近では頭皮用美容液なども増えてきているので、そういった商品を試してみるのもありだと思います。
※すでに抜け毛や薄毛で悩んでいる場合は、頭皮の保湿、脱毛防止、育毛・発毛促進などの効果が複合的に期待できる「育毛剤」を試してみたほうが効率がよいです。
もし育毛剤を使う場合は低刺激のものがおすすめです。(刺激が強い男性用育毛剤などは、頭皮環境をさらに悪化させてしまう可能性がある)
関連記事
基礎代謝の低下
年齢を重ねるとともに基礎代謝が落ちていくのは、自然な老化現象なので特に問題はありません。
しかし、基礎代謝の低下に伴い、お肌や頭皮の新陳代謝の低下、免疫力の低下、肥満、血液循環の悪化、肌荒れなどの様々な問題が引き起こされます。
髪の成長への影響としては、毛根の細胞に栄養や酸素を運ぶ血流が滞ってしまうことがもっとも心配です。
対策
意識的に体を動かす。
ウォーキングでも良いのですが、適度に汗をかくくらい体に負荷をかけたほうが良いとされています。(無理は禁物、自分なりの「適度な運動量」が大切)
外に出るのが嫌な場合は、室内でエアロバイクやフラフープなどを利用する方法もあります。
関連記事
頭部を流れる毛細血管の機能低下
年をとっても動脈や静脈の数が減ることはありませんが、毛細血管はその数を減らしていきます。
また、40代以降では毛細血管自体が弱くなり、もろく壊れやすくなっていきます。
生命活動に必要な栄養や酸素は血液によって体の隅々まで運ばれているため、毛細血管の機能低下は様々な症状や病気を招く要因になります。
毛髪トラブルもその1つ。髪の毛は生命活動において重要度が低いため、栄養や酸素の供給は後回しになります。
→ 老化による毛細血管の機能低下の影響を受けやすい。
対策
直接的に毛細血管の減少を防ぐことは難しいですが、頭部の血液循環を少しでも高めるために、頭皮マッサージをしたり、高い血行促進作用が期待できる育毛剤を使用したりするのは有効な方法です。
関連記事
髪を育てる毛母細胞の分裂活動が弱まる
体のあちらこちらの細胞活動が弱まっていくのも老化に伴う体の変化です。
当然、毛根の毛母細胞もその影響を受け、髪の毛の成長サイクルは短くなっていきます。
長く・太く・黒く・抜けにくかった髪が
↓
短く・細く・白く・抜けやすい髪に
対策
健康的な食生活・適度な運動を意識しつつ、毛母細胞の活動を活性化する育毛剤を試してみる。