エストラジオールについて

 

男性には馴染みがありませんが、女性の方はエストラジオールという名前を聞いたことがある人が多いでしょう。

 

エストラジオールとは女性ホルモンのひとつエストロゲンを構成する主成分です。

 

エストロゲンは他にも構成成分がありますが、エストラジオールが最も含有率の高い主成分となります。

 

このエストラジオールですが、体内で生産される量が通常よりも増えたり減ったりすると女性の体に色々と不都合なことが起きてきます。

 

そして髪の毛の育成にも影響するため見逃せない成分となっています。

 

今回はこのエストラジオールについて詳しく見ていきたいと思います。

 

エストラジオール数値が低いとどんなトラブルが起きるの?

 

血中のエストラジオールは加齢やストレス、卵巣の障害などで生産量が高まったり低減されたりと変動が起きます。

 

どちらかというと数値が下がる方が所見としてよく見られます。

 

エストラジオールは女性ホルモンそのものとイメージして差し支えありませんが、そのため数値が下がるということは女性ホルモンの量が減るということを意味します。

 

更年期近くの女性はエストラジオールの生産が減ってくるので、更年期障害を起こしやすくなりますが、若い女性でもストレスなどで生産量が減ると若年性の更年期障害を発症することもあります。

 

また卵胞の成長を促す役割があるので、これが足りないと妊娠しにくくなります。

 

妊娠を希望しているのになかなか懐妊しない場合は、病院で検査が行われることがあります。

 

月経異常などの訴えがある時にも検査が行われることがありますが、血液検査により血中の数値を見て判断されます。

 

正常な血中濃度は年齢や月経周期などによって大きな開きがあり、その時期にあるべき数値であるかどうかが見られます。

 

ちなみに、正常値(pg/mL)は卵胞期の生理後14日までは13〜70、排卵期の14日目は70〜240、黄体期の14日〜28日目は70〜160、そして閉経後は10以下と大きな開きがあります。

 

それぞれの状態における正常値にあるかどうかが検査で見られることになります。

 

毛髪の成長への影響?改善方法や治療薬について

 

このエストラジオールですが、女性ホルモンであるために足りなくなると髪の毛の量にも影響してきます。

 

女性ホルモンは男性ホルモンを抑制して、その脱毛作用を薄める働きをしますが、足りなくなると男性ホルモンが優位になり抜け毛が増え薄毛につながります。

 

女性は頭髪全体が薄くなるような形で薄毛が進むことが多いです。

 

エストラジオールが足りない場合は病院で治療を受けることでその量が回復し、抜け毛も収まりますが、どのような治療法が取られるかはその患者さんの年齢や状況によります。

 

加齢によるものであればホルモン補充療法で外から補充してやることができます。

 

更年期付近の女性の場合はこの治療法が取られることが多いですが、若い女性の場合はホルモン補充の前に可能であればストレスを低減するための工夫をしたり、あるいは安定剤など精神系の薬を使って対処することもあります。

 

精神が安定すればおのずとエストラジオールの生産も安定するからです。

 

エストラジオールの量が安定してくると、男性ホルモンの作用が薄められますが、すぐに毛量が回復するわけではありません。

 

毛根が完全に死んでさえいなければ、現在成長期にある毛髪は次第にコシが出てきます。

 

また細くコシが無くなっている退行期にある毛髪はいずれ抜け、次の成長期にはコシのある毛髪が生産されてくるでしょう。

 

概ね6か月くらいで毛量や髪の毛のコシや太さの改善が実感できるようになります。