1日の抜け毛の本数「100本程度」について
最近、洗髪やドライヤーの時の抜け毛の量が多くなってきているような気がします。
よく「1日100本程度なら特に心配する必要はない」と言われますが、実際に毎日100本も髪の毛が抜け続けたらハゲてしまわないか心配です。
抜け毛・薄毛関連の掲示板やQ&Aサイトを見ていると、上記のような質問が多く目につきます。
確かに、数字だけで100本と言われると「その程度」と思うのですが、実際に自分の髪の毛100本を集めてみると、かなりの量でビックリします。
この感覚は、髪の長い人や普段から薄毛を気にしているほど強い傾向にあります。
「100本程度」という数字について
細かい数字は省きますが、この100本という数字は、人間の平均的な髪の毛の本数と髪が生え変わるヘアサイクル(毛周期)の関係から計算されていて、日本人の場合は1日50〜100本程度なら正常な抜け毛の範囲と言われています。
→ 抜け落ちてもその分新しい髪の毛が生えてくるから大丈夫。
ただし、何かしらの要因で新生毛が生えてこない、生えても成長途中で抜け落ちてしまうとうサイクルを繰り返してしまうと、いわゆるハゲ・薄毛の状態になってしまいます。
1日の抜け毛の本数には個人差あり
1日50〜100本程度という数字はあくまでも平均で、元々の髪の毛の本数が平均の10万本より少ない方、年齢、性別、健康状態、生活環境、遺伝など様々な要因により、実際には個人差がでます。
また、体調や頭皮環境に問題がなくても、季節の変わり目(特に夏→秋)は抜け毛が増えやすい傾向にあります。
抜け毛や薄毛など頭髪トラブルの主な原因は、男性なら遺伝や男性ホルモン、女性はホルモンバランスの乱れの影響が大きく、また、不健康な生活習慣や加齢による老化現象、ストレスは共通の要因になります。
洗髪時の抜け毛について
抜け毛の量が気になっている時期は、お風呂に入って髪の毛を洗った後、排水口が真っ黒!という経験をすると思います。
この洗髪時に髪の毛が多く抜けてしまうのは自然なことで、1日の中で一番髪の毛に触れているからです。
ここで確認してほしいのが、
- 日中にどのくらい髪の毛に触れるか
- 日中にどのくらい体を動かしているか
- 洗髪の頻度、
- 髪の毛の長さ
上記のような項目です。
抜け毛となって脱毛する髪の毛は、ヘアサイクルの成長期が終わって「いつでも抜ける状態」にあるものです。頭皮の毛穴の中で浮いているような状態なので、少しの負荷でスルッと抜け落ちます。
自然脱毛する毛髪は、少し触れた程度で簡単に抜け落ちます。
→ 1日の抜け毛の平均50〜100本程度は、毛根や毛穴に固着せず、頭の上に乗っかっているだけの状態。
ことを考慮すると、日中に髪の毛に多く触れる、体をよく動かす、風によくあたるような方は、気がつなかいうちに結構な量の髪の毛が抜け落ちています。
→ 洗髪時の抜け毛は少なくなる。
一方、朝に整髪剤などでヘアスタイルを固め、仕事は室内のデスクワークで座りっぱなしのような方は、抜け落ちずに留まります。
→ 洗髪時に一気に抜け落ちる。
また、洗髪の頻度と抜け毛の量にも関係があります。
上で述べたように、抜け落ちる準備をしている毛髪の量は決まっているので、2日に1回、1週間に1回など洗髪の間隔が長くなるほど、その時に一気に抜け落ちます。
例
普段は日中によく髪の毛を掻き分ける、洗髪は毎日する人が、風邪を引いて3日間寝たきり&洗髪なしだった場合を考えてみると(1日の抜け毛の本数を100本と仮定)、
普段
→ 洗髪時以外に50本、洗髪時に50本
3日間寝たきりのあとの4日目
→ 寝てる間に1日30本程度抜けたと仮定して90本。洗髪無し0本。
本来なら3日で300本程度抜け落ちるはずですが210本が頭部に留まったまま。
この状態で4日目をむかえ通常の生活をすると、日中+洗髪時で300本以上抜け落ちるはずです。
この様に、ヘアサイクルによって自然に抜け落ちる髪の毛の量は決まっているので、その日の洗髪前の時点でどのくらいの抜け毛が残っているかを自分なりに把握しておくと、排水口の抜け毛の量でストレスを抱えることもなくなります。
抜け毛の量が増える理由が特にない状況で異常なほど(感覚的に普段の3倍以上)の脱毛が継続するような場合は、何かしらの病気の可能性も考えられるので、念のため病院で診てもらったうが良いと思います(一般的には皮膚科、女性なら婦人科でもOK)
補足
髪の長さと抜け毛
抜け毛の本数を気にする度合いは、髪の毛の長さに比例するようです。なので、ロング → ショートにしただけで抜け毛が半分以下に減ったような気分になります(実際に抜け落ちている本数は変わらない)
自然脱毛と異常脱毛の見分け方
抜け毛の場合「本数」を気にする方が多いのですが、実際に注意深く見て欲しいのは、「毛根の形状」や「抜け毛の長さ・太さ」です。
ヘアサイクルの寿命を終えて正常に抜け落ちた髪の毛は、毛根に丸みがあり、また、長く太い状態が一般的です(髪型や年齢などで個人差あり)。
危険な抜け毛
毛根がまったくない、細い・短い抜け毛が多い場合は、ヘアサイクルが正常でない可能性が高くなります。
季節と抜け毛の関係
1日の平均抜け毛本数の推移(個人差あり)
この画像は、左1月〜右12月の1日平均抜け毛本数の推移をグラフ化したもの。夏場のダメージが表面化する9月頃から、特に10月11月に目立って多くなっています。
「抜け毛」の検索需要
この画像は、2010年〜2015年の「抜け毛」という検索キーワードの需要を調べたもので、上方にグラフが進めば「抜け毛」の検索需要が増えている、下方に進めば減っていることを表しています。
このチャートから分かること「毎年9月〜10月頃に抜け毛の本数への違和感がピークに達し、3月頃にかけて悩みは減っていき、秋に向かってまた悩みが増えていく」。
上記2つのデータを見る限り(体感的にも)、夏→秋の季節の変わり目は抜け毛が増加する傾向にあると言えそうです。